【全国版】探究学習・リベラルアーツ重視校まとめ

探究学習・リベラルアーツ重視校とは? なぜ注目されるのか

AIの進化や社会の複雑化により、単に知識を記憶しているだけでは通用しない時代になりました。これからの社会で求められるのは、知識を元に自ら問いを立て、考え、新しい価値を創造する力です。そうした力を育む場として、「探究学習・リベラルアーツ重視校」が大きな注目を集めています。

重要ポイントと魅力

「正解のない問い」に挑む探究学習

探究学習とは、生徒が自らの興味・関心を起点に課題を設定し、情報の収集・分析、仮説検証を繰り返しながら、結論を導き出す学習活動です。

  • プロセス重視:調べ学習で終わらず、「問いを立てる→調べる→考察する→発表する」という一連の思考プロセスそのものを学びます。
  • PBLや卒業論文:Project-Based Learning(課題解決型学習)や、数年がかりで取り組む卒業論文・課題研究を必修としている学校が多く、一つのテーマを深く掘り下げる経験を積みます。

文理の壁を越えるリベラルアーツ教育

リベラルアーツとは、特定の専門分野に偏らず、文系・理系といった枠組みを越えて幅広く学ぶことで、物事を多角的・俯瞰的に捉える力を養う教育です。

  • 教科横断的な学び:例えば、「歴史上の出来事を科学技術の視点から分析する」「芸術作品を数学的に考察する」など、複数の教科を組み合わせた授業が展開されます。
  • 哲学対話の導入:「幸福とは何か」「正義とは何か」といった根源的なテーマについて、生徒同士が対話を重ねて思考を深める「哲学」の時間を設けている学校もあります。

需要:変化の激しい社会でこそ求められる力を育成

これらの学校が選ばれる最大の理由は、これからの社会で必須となる「一生モノのスキル」が育まれる点にあります。

  • 課題発見・解決能力:指示待ちではなく、自ら社会や身の回りにある課題を見つけ出し、解決に向けて行動する力が身につきます。
  • 主体性と知的好奇心:「やらされる勉強」から「自ら学びたい」という知的好奇心へと転換し、生涯にわたって学び続ける姿勢が育まれます。
  • 協働性と表現力:グループでの探究活動や発表の機会が多いため、他者と協力する力や、自分の考えを的確に伝えるプレゼンテーション能力が磨かれます。

これらの力は、近年の大学入試(特に総合型選抜)で高く評価されるだけでなく、社会に出てからどのような職業に就いても活躍するための土台となります。

【全国版】主な探究学習・リベラルアーツ重視校リスト

【ご注意】

このカテゴリーには「SSH」や「IB」のような明確な認定制度がありません。そのため、ここに挙げるのは、学校の教育方針として「探究」「リベラルアーツ」「PBL」などを明確に掲げ、特色ある取り組みで知られている代表的な学校です。

地域都道府県学校名共学/別学特徴
関東東京都武蔵中学校男子校「自ら調べ自ら考える」伝統、ヤギの飼育
東京都女子学院中学校女子校自由な校風、生徒の主体性を尊重、課題研究
東京都広尾学園中学校共学探究(PBL)、医進・サイエンス、国際性
東京都三田国際学園中学校共学相互通行型授業、PBL、プレゼンテーション
東京都かえつ有明中学校共学探究(PBL)、哲学対話、IB教育
東京都ドルトン東京学園中等部共学「ドルトンプラン」に基づく個別契約学習
東京都千代田区立九段中等教育学校共学探究、論文作成、国際理解教育
東京都都立武蔵高等学校附属中学校共学探究、論文、フィールドワーク
東京都都立小石川中等教育学校共学探究、論文、理数教育「小石川フィロソフィー」
神奈川県慶應義塾湘南藤沢中等部共学研究会活動(ゼミ)、教科横断、プレゼン重視
神奈川県鎌倉学園中学校男子校探究、禅の精神、リベラルアーツ
埼玉県開智中学校共学探究(フィールドワーク)、哲学対話
中部長野県松本秀峰中等教育学校共学探究、課題研究、SSH指定校
愛知県名古屋大学教育学部附属中学校共学総合的な学習の時間での探究活動
関西京都府同志社中学校共学自由な校風、キリスト教主義リベラルアーツ
京都府京都教育大学附属桃山中学校共学探究学習、総合学習
大阪府帝塚山学院中学校女子校「総合的な探究の時間」、リベラルアーツ
兵庫県神戸大学附属中等教育学校共学探究、PBL、SSH指定校
奈良県奈良女子大学附属中等教育学校共学探究、リベラルアーツ、SSH指定校
中国・四国・九州広島県広島大学附属中学校共学総合的な学習の時間での探究活動
広島県AICJ中学校共学探究、IB教育
熊本県熊本県立宇土中学校共学探究、SSH指定校(高校)

注記:

  • 学校名のリンクは、各校の公式ウェブサイトです。
  • 各学校の探究学習・リベラルアーツ教育の具体的な内容は、必ず各学校の公式サイトでご確認ください。
  • 探究学習やPBLの実施方法・内容は学校により大きく異なります。
  • 卒業論文や課題研究の有無・形態についても、各学校の募集要項をご確認ください。
  • 情報は2025年6月時点のものです。最新の情報や詳細については、各学校の公式サイトで必ずご確認ください。