中学受験 miraicompass
利用ガイド
このガイドは、多くの方が不安に感じるインターネット出願システム「miraicompass」の利用方法を、わかりやすく解説します。
miraicompassに「トップページ」は存在しない
miraicompassには全学校を統合した入り口はありません。必ず各学校の公式サイトからアクセスし、学校ごとにログインする必要があります。これが多くの保護者が混乱する最大の理由です。
miraicompassの主な機能
このシステム一つで、中学受験の様々な手続きがオンラインで完結します。
イベント予約
学校説明会や個別相談会などの予約ができます。人気のイベントはすぐに埋まるため、事前のID登録が成功の鍵です。
インターネット出願
願書の手書きや郵送の手間なく、Webで出願が完結。共通IDで各校サイトにログインでき、併願校の手続きもスムーズに進みます。
受験料の決済
クレジットカードやコンビニ決済に対応。24時間いつでも、ご自身のタイミングで支払いが可能です。
受験票の印刷
決済完了後、すぐにマイページからPDFをダウンロード。自宅のプリンター等で印刷し、試験に備えられます。
合否確認
合格発表もサイト上で行う学校が増えてきています。受験する学校の合格発表はどこで確認できるのか、またパスワードが必要な場合はパスワードを忘れずに控えておくことをお勧めします。
入学金決済
合格後、入学金や施設費などの手続きもmiraicompass上で行える学校が増えています。
1. ID登録:すべての始まり
miraicompassの利用は、すべての学校で共通して使える「mcID(共通ID)」を作成することから始まります。これは、中学受験のデジタル手続きにおける最初の、そして最も重要なステップです。一度作成すれば、複数の学校のサイトで利用できます。
最重要ポイント
手続きは、miraicompassの公式サイトではなく、必ず志望する学校の公式ウェブサイトから始めてください。「インターネット出願」や「イベント予約」のリンクが入り口です。
mcID作成のステップ
Step 1: メールアドレス登録
学校サイトからアクセスし、「はじめての方」からメールアドレスを登録。確認コードが届きます。
Step 2: 基本情報入力
確認コード、お子様の氏名、パスワードを入力します。
Step 3: 共通ID化
「共通IDとして登録する」を必ず選択。これが他校でも使えるようにする鍵です。
Step 4: 登録完了
「本登録完了」メールが届けば、mcIDが有効になります。
2. イベント予約:出願前のウォーミングアップ
学校説明会やオープンスクールの予約は、miraicompassの操作に慣れる絶好の機会です。本番の出願とは目的が違うことを理解しておきましょう。
🌿 イベント予約
目的:学校を「知る」ための参加枠確保。
成果物:「受付票」。当日の入場券の役割を果たします。
🎯 本出願
目的:入学試験を「受ける」ための正式な申込。
成果物:「受験票」。試験当日に必須の公式書類です。
情報戦を勝ち抜くヒント
人気校のイベントは数分で満席になることも。予約開始日時を正確に把握し、時間になったら即行動しましょう。満席でも、直前のキャンセルが出ることが多いので、こまめなサイトチェックが有効です。
3. 本出願:手続きの完全ウォークスルー
いよいよ本番の出願手続きです。ステップごとに確認しながら、落ち着いて進めましょう。各項目をクリックすると詳細が表示されます。
4. 重要知識:保護者が知るべき核心
miraicompassを使いこなす上で、特に重要な知識をまとめました。ここを理解すれば、混乱やミスを防ぐことができます。
一括 vs 個別:mcIDで管理できる範囲
「一度入力すれば、他の学校でも使えるのでは?」これは多くの保護者が抱く疑問です。mcIDがカバーする範囲は限定的です。
✅ 共通で使えるもの
- ログイン情報(ID/パスワード)
- 顔写真データ
- 基本的な志願者情報
❌ 学校ごとに必要なもの
- 試験・コース選択
- 検定料支払い
- 申込・イベント履歴
- 学校固有の質問項目
第一印象を決める!顔写真の掟
顔写真は、学校側が受け取るお子様の第一印象。規定に沿った、清潔感のある写真を用意しましょう。
形式
JPEG or PNG
サイズ
3MB以下
比率
横3:縦4
時期
3ヶ月以内撮影
服装
制服 or 襟付きシャツ
髪型
顔が隠れないように
背景
無地の白・グレー等
表情
正面・真顔・口を閉じる
あなたの司令塔「マイページ」
マイページは学校ごとに独立
A中学校のサイトからログインして見えるのは、A中学校とのやり取りだけです。すべての学校の情報を一覧できる「統合ダッシュボード」は存在しません。志望校ごとに状況を確認する必要があります。
学校側にとっての「業務効率化ツール」
多くの学校がmiraicompassを導入する背景には、学校側のメリットも大きく関係しています。
願書受付業務の大幅な削減
願書の印刷・配布、窓口での受付、手作業でのデータ入力といった膨大な業務から解放されます。
データ管理の一元化
出願情報やイベント参加者情報をデータで一元管理できるため、分析や次の募集活動への活用が容易になります。
ミスの減少
保護者が直接入力するため、学校側の転記ミスなどが起こりません。
これにより、教職員は本来注力すべき教育活動や、受験生とのコミュニケーションに時間を割くことができるようになります。
中学受験市場における「圧倒的なシェア」
miraicompassは、三菱総研DCS株式会社が開発・運用しており、非常に多くの学校に導入されています。特に首都圏や関西圏の主要な私立中学校のほとんどが採用しており、そのシェアは圧倒的です。
まとめ
miraicompassは、単なる「便利な出願サイト」というレベルを超え、中学受験という大きなイベントを支える社会的なインフラとしての立ち位置を確立しています。
受験生・保護者にとっては「手続きの総合窓口」であり、学校にとっては「業務効率化を実現するパートナー」です。その圧倒的なシェアにより、現在の中学受験プロセスにおいて中心的な役割を担っているサービスと言えます。